「オタク」市場は数兆円規模−シンクタンクは過小評価

http://www.yukan-fuji.com/archives/2004/09/post_344.html


野村総研マニア消費者層はアニメ・コミックなど主要5分野で2,900億円市場というリサーチ結果に我らがアキバ系経済アナリスト(最近、アキバとか萌えとかに関する記事ばっか書いてるように見えるので)モリタクこと森永卓郎先生が反応しましたよ。



野村総研のリポートでも、アニメとコミックとゲームマニアの重なり度合いが高いと指摘しているが、その指摘のとおり、これらの市場を支えているのは同じ人、つまり「萌え」の人たちなのだ。キャラクターをこよなく愛することを「萌える」というのだが、野村総研のリポートにはこのコンセプトがない。もし、このコンセプトが分かっていれば、市場推計のやり方自体が異なっていたはずだ。萌え市場には3つの融合化が存在しているからだ。
「萌え」の人たちって表現が素敵だな。キャラクターをこよなく愛することを「萌える」というってのはちょっと違う気もするが…。



第一はメディアの融合化だ。いまのキャラクターはテレビアニメ放送だけでなく、最初から関連グッズからイベント開催までのビジネス展開を考えて作られている。それが分かっていれば、市場推計の範囲をフィギュアや食玩トレーディングカードといったモノ系からメイド喫茶などのサービス系まで広げられたはすだ。
何故、うちのブログでこの記事を取り上げたかというと「メイド喫茶」って単語に引っかかったから。森永先生は本当にメイド喫茶好きだなぁと思った次第。
メイド喫茶の市場規模は精々数十億ぐらいだと思うけど。ちょっと簡単に計算すると前に『 アキバから全国へ!萌える「メイド喫茶」増殖中』っていう記事にコスチャの売上が

 同店の規模は30坪、40席ほどで、月商は400万〜500万円程度。顧客単価は1200円くらいとなっているそうだ。
とあった。すごい単純にこの売上が他の店舗にも当てはまるとする。アキバにあるメイド喫茶(コスプレ喫茶・コスプレ居酒屋も含む)は約10店舗。月商400万 * 12 ヶ月 * 10店舗 = 4億8千万。アキバでたったこれだけ。日本全国でアキバと同程度と考えると 2倍しても 10億。まぁ、そんなもんだな。↑に精々数十億って書いたのが恥ずかしい。


まぁ、確かに野村総研の市場推計の範囲は狭いな。一次的な物販の直接的な金額しかやりとりしてないし。



第二は消費者と供給者の融合化だ。萌えの人たちは、しばしば自ら供給者となる。例えばワンダーフェスティバルで売られるガレージキットは、もはや模型産業と同じ地位を得ているのだ。
これはコミケもそうだな。コミックマーケット66アフターレポートによると参加サークル数 3万5千、3日間の来場者数が51万人だとか。サークル数が3万5千ってすごいな。まさに萌えの人たちが自ら供給者になってるって感じ。コミケだけでも100億ぐらいの市場規模はあるよな。直接的な金額だけでも 51万人が1万円分同人誌買ったら51億だし。



これらのことを踏まえれば、おそらくオタク市場は現時点ですでに数兆円の規模に達しているだろう。
数兆円かぁ…。コミケだけでも200億以上の市場規模あるしそのぐらい行くかもな。本当にどこまで計算するかっていうのと、どこまで『オタク』って含めるかによるんだけどね。



今後も成長が期待されるこの市場を、既存の企業がどれだけ理解できるかが企業の命運を握っていると言っても過言ではないと、私は思っている。
今後も成長が期待されるかどうかは知らないけども(森永先生はメイド喫茶市場は日本で一番成長してる市場と言ってるけど。)、「企業の命運を握っている」ってのは過言だと思うけどな。オタクが萌える物・事って今もそしてこれからも細分化するじゃない。オタク市場は大きくなるけども、ミクロの視点で見ると小さい市場の塊が沢山あるようになるんだと思うんだよね。そうすると企業にとっては儲け難いんじゃないだろうか。
例えば高齢者介護の市場が市場規模は大きくなっていってるんだけど非常に儲け難い業界であるのと同様に。
すでに既存の萌えを理解している企業は、これから『オタク』市場が大きくなるのは良いことだと思うけど、萌えを理解していない企業が新しく萌えを理解してことさらに『オタク』市場には入らなくてもいいと思うけどなぁ…。


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